近年、既存の建物を大規模に改装し、性能の向上や価値を高めるリノベーションが注目を集めています。
ここでは、リノベーションすることのメリットとデメリットを紹介していきます。
リノベーション検討の際の判断材料としてご参考ください。
リノベーションは、自分のニーズに応じて自由に自分らしい住まいを表現することができます。 既存の建売住宅やマンションなら、どれも似たり寄ったりでありきたりな内装になってしまっていることが多く、内装に強いこだわりがあり、自分好みの内装を選びたいという方にはリノベーションがおすすめです。 |
間仕切りがない広々としたリビングにしたり、システムキッチンを設置したりなど、既存の住まいでは味わえない「自分だけのライフスタイル」を演出することができます。
リノベーションを前提とした場合、中古の戸建やマンションを購入することとなり、新築に比べるとより安い予算を設定できるため、立地の選択肢が大きく広がります。
例えば、住みたいエリアの駅から徒歩5分以内や、閑静な住宅地や水辺で暮らしたいなど、細かな環境の条件を満たす戸建やマンションを探し出せる可能性があります。
また、間取りや内装、設備機器が条件を多少満たしてなくても、新しく変えるので、あまり気を使う必要はなく、エリアや立地さえ自分が望む条件を満たせればよいという部分もあるため、対象となる戸建やマンションの範囲を増やすことができます。
同じ条件のもとで、新築を購入する場合の費用と中古住宅を購入してリノベーションする場合の費用を比較すると、中古住宅を購入してリノベーションする費用の方が、20%〜30%程安く済むことが多くあります。
中古物件の価格にもよりますが、新築よりも安い費用で理想の住空間を手に入れることができます。
また、新築の戸建やマンションの価格は、新築後15年間で大きく下落し、その後は景気に応じて緩やかに上下するようです。そのため、築20年以上の戸建やマンションを購入することで、購入後数年で市場価格が大きく下降するリスクを避けることもできます。
中古の戸建やマンションを購入する場合には築年数に注意する必要があります。なぜなら、建築基準法の改正により基準が引き上げられたり、昔は今のように管理について厳しく言われていないこともあり、見えないところは手を抜いて工事をされてしまっていることもあり、耐震性が現在の法律の基準を満たさなくなってしまっている場合があるためです。 |
そのため、現在の耐震基準を満たすように性能を上げようと、別途、耐震改修などが必要となり、逆にかなりの費用がかかってしまい、せっかくのコストを抑えることができるというメリットを活かせなくなってしまいます。
中古の戸建やマンションをただ購入する場合には、住みたい戸建やマンションを探して購入し、引き渡しが行われ住むのが一般的ですが、リノベーションの場合には、引き渡しまでの間に、建物検査・設計・施工などの作業が加わります。
さらに、コンセプトやイメージに強いこだわりがあると、建築士との打ち合わせなども十分に必要であり、結果として完成させるためには大変な時間がかかってしまいます。
理想の住まいにするためにも建築士との打ち合わせはじっくりとすべきであり、忙しくて打ち合わせの時間が十分に取れないという方や一刻も早く住み替えたい方には、適切ではありません。
中古の戸建やマンションを購入しリノベーションを行う場合に、ローンを利用しようとすると、リノベーションの費用には一般の住宅ローンが利用できないため、住宅ローンとは別に「リフォームローン」を利用する必要があります。
リフォームローンは、一般の住宅ローンよりも金利が高い傾向があるため、総じてローンの金利が高くなります。さらに、購入後に工事がはじまるため、工事の間の家賃など二重払いが発生する場合もあるので、資金計画をしっかりと立てる必要があります。