鳥居はなぜ朱色か
伏見稲荷に参拝して、建物と鳥居の朱色について調べてみました。
千本鳥居のトンネル。
なぜ「お稲荷さん」は「朱色」なの?
朱色は、魔力に対抗する色ともされていて、古代の宮殿や神社仏閣に多く用いられています。
伏見稲荷に限って云えば稲荷大神様のお力の豊穣を表す色と説明されています。
ただ、お稲荷さんだけが朱塗りではなく、朱塗りの神社は他にも多くあります。
朱色の原材料は朱丹です。これは昔から木材の防腐剤として使われてきました。
先日、ブログで紹介した「べんがら」も同じような効果があります。
伏見稲荷大社の楼門。
朱丹の色は神様が宿る色として、昔から鳥居や社寺仏閣に使われてきました。
鉛の朱丹を膠(にかわ)で溶いて塗る手法は、最近ではほとんどされなくなっています。
膠の濃度などをうまく調整しないと、割れたり剥がれたりする非常に微妙な塗料です。
それで塗られた表面はおとなしいつやがあり、細かいパールのように光るのが特徴です。
また塗膜が時間をかけて次第に風化していき、木の呼吸を止めない分、長持ちするようです。
京都は特に神社など多いので、まだ取り扱っているところはあるようです。
最近は、油性のペンキや、ウレタン塗装をして、防水性を高めて木に水分が入らないように
塗装するそうですが、木がひび割れたりし、塗膜がはがれたりするとそこから水が入り、
木が呼吸できないため、内部に水が溜まり、腐ってしまうケースもあります。
是非、外部の木の塗装は、木が呼吸できる塗料をおすすめします。
(但し、樹種の検討、塗料の選択、メンテナンスは必要です。)
伏見稲荷大社の本殿。
平成23年に、稲荷大神御鎮座1300年を迎えられるそうです。