小さなエネルギーで快適に暮らす

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東須磨の家

【設計 アトリエ空一級建築士事務所 澤木久美子氏」

「断熱が良く、夏は涼しく、冬は暖かい、ランニングコストの少ない家を建てたいと考えています。」
住まい手となる建築主から最初にいただいたこの言葉から、住まいの計画は始まりました。
断熱性能や設備機器の選択はもちろんのこと、季節ごとに変化する太陽の動き、朝夕で変化する風の向きなどを確認し、一つ一つご相談しながら設計は進みました。春に始まるこの住まいでの暮らしは、猛暑や氷点下の日も、さほど大きなエネルギーを費やすことなくすごせるはずです。
季節ごとに工夫することで、どこまで省エネルギーを極めることができるのか・・・。
住まい手のご家族には、ぜひ楽しみながらトライしていただきたいと思います。

玄関は敷瓦の土間で、夏は涼しく、冬はストーブの熱をたっぷり蓄熱してくれます。地窓は夏の間、山からの風の入り口となります。
奥には買い物から戻った時、配達物が届いた時など、荷物を直接運び込める収納スペースを確保。

風が通り、庭も眺められる明るくて心地よいキッチンとリビングの隣に設置したのは、本好きのご家族のための図書コーナー。
この図書コーナーは冬の暖かな日差しが一番長く差し込む場所です。
リビングに面した窓の上の庇は、真夏の日射を遮るのはもちろんのこと、雨の日にも役立ちます。

2階への階段部分は、階高を低めに抑えてますが、吹き抜けがあることで空間に変化と伸びやかさを感じることができます。
2階の階段口と寝室には、夏の傾きかけた西日を遮る外付けブラインドを設置。 雨の日も窓を開けられて、視線を遮りながら光や風を取り込むことができます。
2階ホールに1台だけ設置した冷房用エアコン。冷気の流れはエアコン前の障子で調節します。
断熱性能が高く、夏は2階エアコン利用、冬は1階ペレットストーブや床下エアコン暖房による全館空調を実現しています。

こちらのお宅は訪問見学が可能です。

■ お施主様の声

Q 家づくりのきっかけをお聞かせください。

3年前まで単身赴任をしていたのですが、こちらに戻ったので、自分のイメージする家を建てたいと思いました。
子どもたちが家にいる間に自宅を建てて、家の思い出をつくってやりたいと思ったのもきっかけです。

Q 設計は「アトリエ空一級建築事務所」の澤木さんに依頼されたのですね。そのいきさつは?

家づくりについて勉強するなかで、「パッシブデザイン」という言葉に出会いました。「自然を生かす」というコンセプトに惹かれて色々調べるうちに、澤木さんのホームページに行き着いたんです。
相談に伺い、「パッシブデザインの家を建てるのに適した土地探し」から手伝っていただきました。

Q そして澤木さんを通じて弊社に施工をご依頼いただきました。

はい。澤木さんが「自立循環型住宅」の勉強会仲間である日置建設さんを紹介してくださったんです。
パッシブデザインの家づくりのノウハウもお持ちなので、信頼が置けると思いました。

Q どんな点にこだわりましたか?

パッシブデザインに加えて断熱性にもこだわり、ランニングコストを抑えられる家を希望しました。
ペレットストーブを使いたいということ、メンテナンスのしやすさもポイントでした。打ち合わせの中で本が好きだとお伝えしたので、読書コーナーをつくってくださいました。

Q 広い玄関土間からそのままLDKに続くプランですが、抵抗感はありませんでしたか?

ペレットストーブを置くために土間を提案してくださいました。造作家具で玄関からの視線を遮るプランがいいなと思い、抵抗は感じませんでしたよ。

Q 住み心地はいかがですか?

とても快適です。特に冬は底力を発揮しますね(笑)。太陽の光がたっぷり入りますし、ペレットストーブのおかげでじわーっと温まるんです。朝、9時半ごろまでつければ、夕方6時ごろまで暖か。それから夜9時ごろまでつけると、朝まで暖かいので、パッと起きられます。家じゅう暖かくて、洗面も苦になりません。とても寒い日には床下エアコンを併用しています。

Q 夏はいかがですか?

夏も気持ちいいですよ。
エアコンは2階ホールに1台だけですが、吹き抜けから冷気を1階に下ろせば、1階のLDKがちょうどいい涼しさです。提案頂いた2階ホールの障子を開け閉めして、冷気の流れを調節できるのもいいですね。

Q光熱費はどれくらいかかっていますか?

夏にエアコンをドライでつけっぱなしにしていても電気代は6,000円くらいですね。
でも自分たちでは「省エネ住宅を建てた」とは思ってないんです。快適に暮らせる家を建てたら、結果的に省エネがついてきたという感じです。

Q自然素材も気持ちがいいですね。

はい、1階の床はウォルナットを希望しました。
2階の床は杉材で、冷たくなくて肌触りが柔らかいです。
数日家を空けて帰宅すると、木のいい香りがしますね。
壁は土佐和紙や西洋漆喰、ドイツの自然素材壁紙を使っています。自然素材のおかげか、風邪を引きかけても悪化しないようになりました。

Q特にお気に入りの場所などはありますか?

読書コーナーは落ち着きます。
LDKから視線を遮りながら、気配は伝わるのがいいですね。
大学生と高校生の子どもたちも個室にあまりこもらず、1階で過ごしているのもよかったなと思いますね。

■インタビューを終えて(日置 尚文)

アトリエ空の澤木様のご紹介で一緒にお仕事をさせていただき、私どももいろいろ学び、西面のルーバー、温水給湯等の温熱に関する新たな施工もさせていただき勉強になりました。
今回の取材をさせていただき、かなりの省エネで、夏も冬も快適に楽しくご家族が暮らされているようをお聞き出来てよかったです。
今後ともよろしくお願いします。

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