今=IMA和風の家
HKハウス 西野添Ⅲの家
【設計:スペースプロ一級建築士事務所】
こちらの平屋の住宅は、ご高齢のお母さまが住まわれるお家で、室内の段差をなくし、引戸が基本として、主要な箇所には手すりを付けるなど、細やかな設計を行っています。そして、仏壇を置く部屋もあえて畳敷きとしない。玄関として改まった設えは不要。など、家族の「今」と「将来」を合理的に考えられ、ご家族にオリジナルな「今」を明確にしめしていただきました。
内部は「真壁」=柱梁が見えいてる、和風建築の伝統的なしつらえであり、外からは片流れに、濡れ縁の庇が優美な和風フォルムとなるデザインとなるこの建築。今とこれからを新たな思考で構成された「思い切ったIMA和風」の家です。
外観の特徴はダイナミックな片流れ屋根と庇。
約10mの直線的な屋根は「力強さと繊細さ」を表し、庇のつくる影が「面のバランス」を整え、新たな「IMA和風」の表情を作り出しています。
ダイナミックな屋根構成そのままに、内部の部屋がつながって、とても広々とした空間が感じられる住まいになっています。
自然な木の感触や温もりを肌と目で感じられるよう、集成材をなるべく使用せずに、また塗装もなるべく、木の木肌色をそのままに仕上げています。
「縁」の持つ柔らかな領域性を最大限に活用。幅の広い「縁」を庭に面して設けることで、道路→庭→縁→住まいという「公」から「私」の領域を柔らかに構成することができました。
バリアフリーの室内は、ご高齢のお母さまも安心して過ごせるように、浴室、洗面、トイレに至る動線の有効幅を十分に確保し、要所に手すりを取り付けています。また、仏壇を置く部屋もあえて畳敷きとしておらず、家族の「今」と「将来」を合理的に考えたオリジナルの「IMA和風」が出来上がりました。
Q.家づくりのきっかけをお聞かせください
もとは築50年ほどになる洋館風の2階建てで、何度も増改築を繰り返していました。老朽化して家全体がきしみ、土壁で冬の寒さも厳しかったので、最初はリフォームを考えていたんです。でも耐震や断熱も考えるとリフォーム費用が高くなり、建て替えてもあまり変わらないということで、新築することにしました。
Q.弊社はどのようにお知りになりましたか?
はじめは性能に惹かれてハウスメーカーを訪れましたが、自由がきかないんですね。そこでネットで地域の工務店を探しました。シンプルな家がいいと思っていたので、その視点で何社か選びました。
Q.弊社にご依頼いただいた決め手は?
決め手の一つは床下エアコンですね。快適でメンテが簡単なのもいいと思いました。外断熱や自然素材も気に入ったポイントです。
Q.どのような点にこだわりましたか?
まず、「玄関なし」!(笑)。
ただの靴脱ぎ場になるなら、無駄なスペースだと思っていたんです。
玄関は家の顔、との意見もあるでしょうが、それより機能が大切だと思うので。
Q.玄関がないプランについて、奥様やお母様はいかがですか?
(奥様)最初は抵抗がありましたね。でもかしこまったお客様はそんなにないので、いいのかなーと納得しました。
(お母様)私も慣れました(笑)。
Q.ほかに希望されたことは?
たくさんあります。
年月とともにいい色になる杉の床。広いウッドデッキ。柱を見せる真壁工法。家全体がワンルームになるような開放的な間取りも希望しました。
(奥様)夫に任せた部分が多いのですが、キッチンや洗面、洗濯物干し場などは希望を叶えてもらいました。
Q.家づくりの感想をお聞かせください。
楽しかったですね。ネットや本で温熱環境などについてたくさん勉強もしましたし、ワガママにも随分応えてもらいました。
Q.住み心地はいかがですか?
冬はあまり補助暖房を使わず、床下エアコンのお陰で、暖かく過ごせました。光熱費は以前の家の半分くらいになったんですよ。
夏もエアコン1台で快適。寝室のエアコンは使ったことがありません。
日置さんに頼んでほんとによかったと思っています。
■ インタビューを終えて(日置 尚文)
ご主人が温熱環境についてよく勉強されておられたのでこちらも色々と学ばせていただきながら、スペースプロ一級建築士事務所の岡田さんとプランと間取りについてもしっかり対応させていただきました。
プラン段階で玄関は作らないと言う自論を持っておられ、こちらとしても少し戸惑いましたが、F様が納得され、細かいところもしっかりと対応し、ご満足いただけるお宅が完成しました。
今後ともしっかりとサポートさせていただきますので、よろしくお願いいたします。